2026年9月17日、東京・銀座の料亭「銀座治作」にて、外国人のお客様を対象とした江戸前寿司握り体験プランのテストを実施しました。
今回は、インバウンド向けの日本文化体験を手がける新日屋様との取り組みの一環として、銀座治作様にもご協力いただきました。
当日は、銀座治作様と新日屋様のスタッフ計5名に、実際の外国人のお客様を想定して体験していただきました。プログラムの大部分を英語で進行し、江戸前寿司の文化や技法の紹介から、実際の握り体験まで、一連の流れを検証しました。

外国人のお客様に「寿司を食べる」だけではない体験を
日本を訪れる外国人のお客様にとって、寿司は日本を代表する食文化の一つです。
しかし、普段食べている寿司がどのように作られているのか、「江戸前寿司」と呼ばれる要素はなんなのか、職人がどのような仕事をしているのかを知る機会は意外と多くありません。
そこで今回の体験では、寿司を食べていただくだけではなく、江戸前寿司の文化や職人の仕事を知り、実際に自分でも握ってみるという内容を考えました。
普通の寿司教室とは違う、職人とのコミュニケーションを楽しみながら、日本の食文化に触れていただくことを目指しています。
江戸前寿司とは?
いきなり職人から一方的に説明するのではなく、まず参加者に江戸前寿司について知っていることを質問し、そこから会話を広げていきます。
外国人のお客様の場合、寿司についての知識や経験はそれぞれ異なります。
そのため、最初に参加者の知識や興味を確認しながら、お互いの知識を共有し、その後の説明につなげていく構成にしました。
寿司に使う道具や技法を英語で解説
本編では、江戸前寿司に関するさまざまな道具や技法について紹介しました。
内容は、
- 包丁の種類と役割
- わさびおろしとわさびの役割
- 醤油とガリの役割
- 昆布締め
- 湯霜
- 漬け
- 炙り
- 握り体験
です。
例えば、白身魚を昆布で締めて旨味を加える「昆布締め」や、魚の表面を湯で処理する「湯霜」、マグロを醤油などに漬け込む「漬け」など、江戸前寿司にはさまざまな仕事があります。
今回は、こうした技法について実際の食材を使いながら、すべて英語で説明しました。

江戸前の技法を使った5種類の寿司を用意
今回のテストでは、出刃包丁と柳葉包丁の違い、ワサビや醤油の抗菌効果について説明した後、江戸前寿司の技法を実際に知っていただくため、以下の5種類を用意しました。
・平目昆布締め
・小肌
・キンキ湯霜
・マグロ赤身漬け
・煮穴子
単に人気のあるネタを並べるのではなく、それぞれ異なる江戸前の仕事を紹介できるネタを選びました。
本来の商品では10種類程度の寿司を予定していますが、今回はテストということで5種類に絞って実施しました。
それぞれのネタにどのような仕事が施されているのかを説明しながら、江戸前寿司の特徴を感じていただく構成です。
実際に寿司を握る体験も
プログラムの最後には、実際に参加者の方に寿司を握っていただきました。
職人が握り方を英語を交えて実演した後、実際に手を動かしていただきながら、握り方を練習。

当初は代表者の方に1貫だけ握っていただく予定でしたが、実際に体験が始まると「もう少しやってみたい」という流れになり、最終的には一人の参加者に4貫握っていただくことになりました。
自分で握った寿司を実際に食べてみることで、職人の仕事をより身近に感じていただける体験になったと思います。
質疑応答を交えながら、約90分の体験に
今回のテストでは、説明を一方的に聞いていただくだけではなく、途中で参加者の方から質問をいただきながら進行しました。
そのため、当初想定していた時間よりも長くなり、全体では約90分のプログラムとなりました。
ただ、実際の商品でも10種類程度の寿司を扱う予定であることを考えると、質疑応答などを含めながら進行する場合、90分程度の体験時間を一つの目安として考えるのが現実的だと感じています。
今回のテストによって、実際に商品化した場合の時間配分についても、具体的にイメージすることができました。
「説明」と「体験」のバランスが今後のポイント
今回の体験後、参加者の皆様から今後の商品化に向けた貴重なフィードバックもいただきました。
例えば、
「説明を少なめにして、テンポよく進んだ方がいいかも」
などです。「握り方だけを教える別のプランがあってもいいかも」
江戸前寿司について詳しく知っていただくことは大切ですが、外国人のお客様向けの体験として考えた場合、説明が長くなりすぎると「体験」よりも「講義」に近くなってしまいます。
そのため、
「知る時間」と「実際に体験する時間」のバランス
をどのように取るかが、今後さらにブラッシュアップするポイントだと感じました。

「江戸前寿司を知る体験」と「握る体験」の可能性
今回のテストを通して、寿司握り体験にもいくつかの方向性があることが見えてきました。
一つは、今回のように、
江戸前寿司の文化や技法を知る → 職人の仕事を見る → 実際に寿司を握る
という、しっかりと日本の食文化を学びながら楽しむプラン。
もう一つは、
寿司職人から握り方を教わり、自分で寿司を握ることに重点を置いたプラン
です。
参加者の方からいただいた意見も参考にしながら、外国人のお客様の滞在時間や興味に合わせて、複数の楽しみ方を提案できる形を検討していきたいと考えています。
外国人のお客様に楽しんでいただける寿司体験を目指して
今回のテストを通して、外国人のお客様向けの寿司握り体験を実際の商品として形にするための、さまざまな課題や可能性が見えてきました。
特に、英語で寿司文化を説明しながら、実際に職人の仕事を見て、最後には自分でも握ってみるという流れには、通常の食事とは違った楽しみ方があると感じています。
今回いただいたフィードバックをもとに内容をさらにブラッシュアップし、新日屋様のパンフレットなどで紹介していただける体験商品として、商品化に向けて準備を進めています。
まとめ
今回は、銀座治作様にて、外国人のお客様を想定した江戸前寿司の握り体験プランのテストを実施しました。
江戸前寿司の道具や技法について英語で紹介し、平目の昆布締め、キンキの湯霜、マグロの漬け、煮穴子、小肌など、江戸前の仕事を施した寿司を通して、寿司文化について知っていただきました。
さらに、実際に参加者の方にも寿司を握っていただき、質疑応答などを交えながら約90分のプログラムを体験していただきました。
今回のテストで得られた経験と参加者の皆様からのフィードバックをもとに、外国人のお客様にとって分かりやすく、そして何より「楽しかった」と感じていただける寿司体験へとブラッシュアップしていきます。
寿司を食べるだけではなく、寿司を知り、職人と交流し、自分でも握ってみる。
日本を訪れる外国人のお客様に、そんな日本ならではの食文化体験をお届けできるよう、今後も商品化に向けて取り組んでまいります。
海外ゲスト向け寿司体験にご興味持たれた方は、こちらからお気軽にご相談ください。